先日、雲南市にある大東町の「熟豊ファーム」に視察に訪れました。ここは出産をした経産牛を各地から仕入れ、こだわりの餌、広い牛舎などストレスフリーな環境で再肥育し、世界への出荷を急増させています。
日本では牛肉は「霜降りが最高級」という価値観がありますが、世界的には子供を産んで肉も赤みの多い「経産牛」が人気もあり流通のメインとなっています。
その中で家畜の生活環境「アニマルウェルフェア」を重視した牛舎環境などを売りにすることで世界で支持を集めているといいます。
島根県の一次産業を盛り上げる、具体的には売上や所得を引き上げるためにはどうすればいいか。
そのことを考えたとき、「熟豊ファーム」の取り組みは大変参考になると感じました。
それは「外のマーケット」意識した生産体制、流通体制をどう作っていくかということ。
県内市場はこれからどんどん縮小していきます。
その中で、県外マーケットや海外マーケットをいかに視野に入れながら農林水産、食品加工事業を営むかということが最重要になってくると思います。
例えば熟豊ファームでは、動物福祉や環境問題に関心の高い欧州などを意識して、地球温暖化に悪影響を与える牛のゲップのメタンを減らすために、餌にアマニ油を加える取り組み、牛舎を広くして牛のストレスを軽減する飼育環境を整えました。
実際、海外のバイヤーは肉の味だけでなく、こうした飼育環境を重視して、取引をするそうです。
「県外海外を見て商売をするやり方がわからない」
「県外や海外を意識して事業を行う資金的余裕はない」・・・
島根県で大半を占める中小零細事業者の本音がそうだと思います(島根だけでなく日本の地方の事業者の多くがそうではないでしょうか)
だからこそ・・・・そこに行政の役割があると思います。
世界や全国を意識した時にどういう生産や販売体制が必要なのか、またそのための販売ルートはどうするのか。
行政がそこを確立していくための仲介役や商社的な役割を(委託も含めて)果たしていくべきではないかと思うのです。
実際に、島根県にはタイに事務所があるのですが、東南アジア周辺の商圏に向けて、商社の役割をもっと果たしていけないかと考えています。
(そのあたりの調査のために、できるだけ早く視察に行きたいと思っています)
加えて、島根の物産を県外出荷しようとすると輸送費で大都市圏近隣の生産地に勝てないという声もいただいています。
こうした問題も含めて、島根の肉や野菜、食品加工品をどんどん売っていくための体制づくりを整えていきたいと思います。
島根の「食」の品質はトップクラスだと思います(実際に私はそう思っています😀)。
それは生産者の努力はもちろんこと、田舎が故の自然の恵み、水や土、空気などふるさとの環境の良さが背景にあると思います。
あとは、生産から販売までいかに県外や世界を意識していくか。
そのことを県の担当者とも考え、必要な施策がうてるよう行動していきたいと思います。